Cistree

やってみた

メールで届く案件情報を、AIで案件データベースに自動で取り込んだ話

古田峻一(代表) / 2026-10-27

シストリーでは、メールの文章で届く案件情報を、AIが読み取って社内の案件データベースに自動で登録する仕組みを作りました。最初はAIのスキルで作りましたが、読み込む量が増えるとミスと費用が増えたため、手順を決めて動くAIの仕組み(Dify)に切り替えました。その後、AIモデル(Gemini)を直接呼び出す形に移し、処理時間は約10分の1になる見込みです。取り込みはほぼ完成し、今はそのデータをどう活かすかを考える段階に入っています。

やろうとしたこと

シストリーは、案件を管理するシステムを社内で開発して使っています。困っていたのは、システムへの入力です。

どの会社でも同じだと思いますが、案件の情報が整った形で届くことはほとんどありません。多くはメールの文章で共有されます。一方で、システムはデータベースなので、「案件名」「期間」「必要なスキル」のように、項目ごとに正しい情報を入れる必要があります。文章を読んで、項目に分けて入力する作業が、人の手に残っていました。

そこで、メールをAIが読み込み、どの情報をどの項目に入れるかを判断して取り込むことで、案件データベースが自動で作られる状態を目指しました。

最初はスキルで作り、うまくいかなかった

最初は、AIのスキル(AIに仕事の手順を覚えさせる仕組み)で作りました。メールを読み取って、データベースに登録させる形です。

ところが、AIが一度に読み込む情報(コンテキスト)が大きくなると、取り込みのミスが出るようになり、費用もかさむようになりました。手軽に作れる反面、量が増えたときのマイナスが大きい状態でした。

そこで一段レベルを上げて、Dify(AIを組み込んだ処理の流れを組み立てられるプラットフォーム)を使う形に切り替えました。

Difyから、AIモデルを直接呼び出す形へ

Difyに切り替えた後、2026年4月には、Difyを通さずに、AIモデル(Gemini)を直接呼び出す形に移しました。メールから抜き出した情報をAIが読み取り、案件データベースに書き込むまでを、社内の仕組み(Google Apps Script)の中で動かしています。2026年6月時点で、営業のシステムではDifyを使っていません。

この形にして、変わったことは3つあります。

- 処理が速くなった。メール1通ごとにAIを呼び出していたのを、20通ずつまとめて1回で呼び出すようにしました。300通のメールなら、AIの呼び出しは最大300回から最大15回に減り、処理時間は1ファイルあたり5〜10分から30秒〜1分になる見込みで設計しました - 止まったらすぐ分かるようになった。エラーが起きると、すぐ社内のチャットに通知が届きます。処理が終わると、取り込んだ件数や除外したメールの数もまとめて届きます - Difyのためのサーバー代を減らせる見込みになった。Difyはサーバーを借りて動かしていたため、使わなくなった分の費用を止める準備を進めています

今の状態

データベースに取り込むところは、ほぼ完成しています。今は、たまった案件のデータをどう利活用するかを考える段階に移っていて、取り込みについては大きな課題は残っていないと考えています。

AIの使いどころを考えるのは人間

AIの進化はとても速いので、どの場面でどう使うかという発想やアイデアが、人間の腕の見せどころになってきています。

使い方そのものをAIに考えさせることもでき、それでたいていうまくいきます。AIに考えさせると平均点は取ってくれるので、70点ぐらいのものはでき上がりますし、ビジネスでは70点が出れば、あらかた形になります。

ただ、事業にとって本当に大事な部分には、AIからは出てこない領域が必ずあります。そこは、長く業務をやってきた人や、事業を深く理解している人が、アイデアを出し、仮説を立てる必要があります。シストリーは今、この「仮説を立てる力」をとても重視しています。

この取り組みの数字

人が手を動かした時間
約4時間(推定。代表のPCで数えた分のみ)
AIとのやり取り
約56回(会話7本)
期間
2026-02-15〜2026-08-27
コミット数
17件
関わった人数
3人
効果
メールで届いた案件情報が、人が項目ごとに入力しなくても案件データベースに登録されるようになった
処理時間
1ファイル(約300通)あたり5〜10分 → 30秒〜1分(設計時の見込み)
AIの呼び出し回数
約300通あたり最大300回 → 最大15回
適用できる組織規模
規模を問わない(推定。届くメールの量が増えても、人の作業が増えない仕組みのため)

同じことをするときのポイント

- 最初は手軽なスキルで作ってみて、読み込む量が増えたときにミスと費用が増えないかを確かめる - ミスや費用が増え始めたら、処理の手順を組み立てて動かす仕組みに切り替える - 作り方は一度で決めきらず、動かしながら次の形に移していく - AIの呼び出しはまとめて行うと、処理時間と呼び出し回数を大きく減らせる - 毎日自動で動かすなら、エラーと結果をチャットに通知して、止まったことにすぐ気づけるようにする - 取り込みが安定したら、次はデータをどう使うかに時間を使う

まずは話を聞いてみませんか

エントリーの前に、シストリーのことを直接知っていただく場として、カジュアルにお話しできる場をご用意しています。

カジュアル面談に申し込む

選考ではありません。所要時間は30〜60分です。

エントリーする

2〜3営業日以内に、採用担当者よりご連絡します。